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「心・体の健康と防災セミナー」開催

2020年12月11日(金)

災害に備えるこころの減災-防災ゲームを通して-

2020年11月25日(水)本学70周年記念館において「心・体の健康と防災セミナー」が開催されました。本学は東淀川区と協力し、東淀川区民の健康増進と区民同士の交流づくりを目的に年間を通じて、様々なテーマを取り上げて実施しています。
この日は本学人間科学部講師で心理臨床センター運営委員も務める坪田祐季先生がテーマ「災害に備えるこころの減災-防災ゲームを通して-」の講演を行いました。地震、台風など大きな自然災害が次々と起きる現在、防災教育への関心は年々高まりを見せる中、災害時の「こころ」についての研究にも注目が集まっています。

 

坪田先生は講演で東日本大震災以降に生まれた概念である「こころの減災」について説明。災害時に生じる心理的な被害を減らす能力のこと。学ぶことでストレスに適切な対処ができるようになるそうです。次に地域・地区の安全・安心の実現のため、地域の当事者が災害に関するリスク情報を共有して連携を図る「リスクコミュニケーション」が重要と指摘しました。またコロナ禍という目に見えない脅威に対する人々心の反応やストレスについて解説した後、参加者全員で地域の防災教室などで幅広く利用されている「クロスロードゲーム」に挑戦。このゲームは災害対応を自らの問題として考え、様々な意見や価値観を参加者同士で共有することを目的としています。参加者は様々な災害時の行動についての質問に対しYES・NOを選択。その選択理由について先生も加わり、全員で議論しました。

 

ゲーム終了後、坪田先生は「自然災害に関するリスクコミュニケーションを通じて人々は自然の脅威を理解し、リスクの特定、内容やその大きさについて理解を深める。その地域・地区における災害への備えと災害発生時の対応行動を検討し、あらかじめ合意形成しておくことで、地域・地区の脆弱性の改善が期待される」と語りました。
参加者は「今日、先生に紹介してもらったクロスロードゲームは家族や地元の知人に紹介し、一緒に災害時のリスクコミュニケーションについて考えていきたいです」と話していました。