若者を白浜町へ。Z世代ならではの観光プランを立案
大阪経済大学は、和歌山県白浜町と地域社会の発展と大学教育・研究への寄与を目的に、2020年1月27日、「和歌山県白浜町と大阪経済大学との連携協力に関する包括協定」を締結しました。この協定のもと、学生たちはゼミ活動やPBL授業(課題解決型学習)において、白浜町が抱える課題をともに考え、町の政策や観光などに関する提案を行っています。
2022年度は、弦間一雄教授(人間科学部)の「メディアコンテンツ制作演習Ⅰ」を受講するメディアデザインコース2年生15名が白浜町の観光開発プロジェクトに取り組みました。
ミッションは、学生たちと同世代に向けた白浜町の魅力発信
白浜町の観光開発プロジェクトは、2022年7月よりスタートしました。まず、白浜町役場の滝本斉氏、南紀白浜観光協会の坂巻恵味氏による、オンラインでのオリエンテーションを開催。白浜町の概要、観光資源や観光客の現状が語られました。そうして、与えられたプロジェクトの使命は、学生たちと同世代の若者の観光誘致とSNSを活用したPR活動の施策提案です。
白浜町は、アドベンチャーワールドのパンダをはじめ、日本三古湯のひとつ白浜温泉、白い砂が特徴的な白良浜(しららはま)、三段壁や千畳敷などを有する日本屈指の観光地です。しかし、これら地域の魅力を十分に活かしきれていない、とくに若者へのアピールが不足しているという課題があり、今回の依頼となりました。
学生たちは、4つのグループに分かれ、アドベンチャーワールドを除く白浜町の観光スポットの魅力の検証、全国各地の観光地との比較を実施。施策の草案を描いていきます。
その後、9月13日から15日まで、白浜町を訪れてのフィールドワークを実施しました。学生たちは滝本氏、坂巻氏の案内のもと現地を事前の計画に基づいて取材。自由行動では、グループごとに、ターゲットである若者の目線で町の至るところを巡り、新たな魅力、活用方法を発見していきました。
フィールドワークを終えてからは、グループごとに具体的なプランを立案。プランの内容はもちろん、実現に必要な費用や広告宣伝方法など熟考を重ね、約1カ月半後の11月2日、滝本氏、坂巻氏への第一次プレゼンテーションに臨みました。
長期プロジェクトで一人ひとりが成長を実感
オンラインでの第一次プレゼンテーションを終えて、滝本氏と坂巻氏は学生ならではのプランを高く評価。一方で、後日、白浜町長と南紀観光協会会長に向けて行われる最終プレゼンテーションに向けては、費用対効果の明確化、プラン実現でのメリットとデメリットの提示といった細かい部分まで詰めることが必要との指摘がありました。
これを受けて、各グループはプランを再度精査。本学の客員教授でアートディレクターの姉川たく先生と後 智仁先生にもアドバイスを受けながらプレゼンテーションを作り上げ、11月30日の最終プレゼンテーションを迎えました。
当日は、白浜町の井澗誠(いたに まこと)町長、南紀白浜観光協会の藤田正夫会長、滝本氏、坂巻氏がオンラインで清聴しました。第一次プレゼンテーションからは短い期間だったものの、どの学生も「プランのバージョンアップができた」「伝えたいことをまとめられた」と自信に満ちあふれている様子。町長と会長を前にしても緊張することなく、堂々と提案を行いました。
今回、この演習を受講した2年生15名は、4カ月にも及ぶプロジェクトも、外部へのプレゼンテーションも初めてでしたが、担当した弦間先生は「私の想像以上にバラエティ豊かで、画期的なプランニングとプレセンテーションができたと思います」と評価。「私が専門とする広告コミュニケーションにおいても、あらゆる経済活動においても、『クリエイティブ』が不可欠です。他の人と同じでは、価値はない。今後も自分だからできること、新しいことを実現していってほしいです」と学生たちにメッセージを送りました。
白浜町に提案したプランは、今後、町で検討される予定。実現に向けて始動すれば、学生たちも関わっていきます。