お知らせ・ニュース

ニュース

大阪経済大学×関西外国語大学の実践的な学び「ミラエガプロジェクト」を催行

2023年05月09日(火)

化学反応がもたらす学生の「成長」と「創発」

2022年8月から2023年2月の6ヵ月間にわたり、学生の未来を実現するための「ミラエガプロジェクト」を実施しました。注目すべきは、本プロジェクトが関西外国語大学(以下、関西外大)との共同プロジェクトであることです。異なるバックグラウンドを持つ学生たちが一堂に会し、新たなアイデアやビジネスプランが生み出される過程は、まさに本学が掲げる「創発」を具現化したプロジェクト。さらに、参加した学生たちはビジネスプランコンテストでも高い評価を得ることができました。

価値観の融合による、貴重な学びの機会
 
「ミラエガプロジェクト」は、本学進路支援部と関西外大キャリアセンターが、共同で企画しました。両大学は、学生のキャリア支援に取り組む中で異なる課題を抱えていました。
 
本学は、進路や目標を明確に持って入学する学生が少なく、就職活動が本格化する3年次にスタートダッシュをきれない状況を改善したいと考えていました。一方、関西外大は、航空業界や観光業界など、進路をあらかじめ決めて入学する学生が多い反面、何らかの理由で目標を見失ってしまうと就職活動が停滞することがあるという課題を抱えていました。
 
そこで、本学と関西外大の学生が、異なる価値観から相互理解を深め、新たな視野を広げることを目的として、本企画が始動しました。「学生たちが自ら未来を見つけ実現できるように」という意図から、本プロジェクトでは3つの目標が設定されています。「1、2年生から主体的に活動すること」「多様な考え・視点を持つ者同士が協働すること」「新たな気づきや刺激を通じて成長や創発を図ること」です。
 
上記の目標を実現するために、まずは関西外大のキャンパスにて、1、2年生を対象とした「ミラエガプロジェクト」のオリエンテーションを開催しました。このオリエンテーションに出席した学生のうち、本学から13名、関西外大から7名の計20名の学生が、本プロジェクトに参加することになりました。その後、顔合わせや交流のためのキックオフイベント、PBL(課題解決型学習)のプレ体験、プレ体験で得たことを伝え合う発表会などを実施し、大学や学部、学年が異なる参加メンバー同士が意見を交換し合い、互いの考えや価値観に触れる貴重な場になりました。
 
共同プロジェクトが生み出した斬新なビジネスアイデアが賞を受賞!
 
さらに、実践的に学びを深めるために、株式会社マイナビが主催するビジネスアイデアコンテスト「課題解決プロジェクト」に参加し、日本電気株式会社(NEC)と株式会社ニトリホールディングスの2社から与えられた課題に取り組みました。本学と関西外大の学生20名が6つのチームに分かれ、活発なディスカッションを行いながらアイデアを生み出し、企画書にまとめました。この中で、日本電気株式会社(NEC)から与えられた課題に対して提案したチーム「つぼつぼ」が佳作入賞を果たしました。彼らは、メタバースとファッションを掛け合わせたサービスを提案しました。
 
「つぼつぼ」のチームメンバーは、本学の壺井直人さんと間柴佑飛さん、関西外大の石川好花さん、永坂瑠菜さんの4人です。彼らは、メタバース内でのファッションの需要が高まっていることに着目し、気軽に自由にファッションを届けるサービスを提案しました。このアイデアは、日本電気株式会社(NEC)が求めた課題に対して、経済活動とwell-beingの両立に貢献するという観点から高く評価されました。
 
「大経大と関西外大がコラボすることで、異なる視点からのアイデアを生み出すことができた」とメンバーが口を揃えて話すように、「つぼつぼ」が入賞したのは、大学間の協働が大きく貢献しています。このような協働は、今後も積極的に展開されることが期待されます。
 
学生のスキルアップに大きく貢献し、今後の催行にも期待が高まる!
 
「課題解決プロジェクト」終了後、6つのグループがそれぞれの企画書をプレゼンテーションし、他チームのアイデアや話し方から刺激を受けた様子でした。また、ゲストとして参加いただいた日本電気株式会社(NEC)と株式会社ニトリホールディングスの社員の方々から企画内容について講評があり、学生ならではの視点で考えた「独創性」について高く評価され、実現可能性の高い企画であるとの評価をいただきました。このような高い評価を受け、学生たちは自分たちの成長を実感し、将来に活かしたいという感想を寄せていました。また、本学、関西外大双方の担当者は、学生たちの成長を見て大きな喜びと手応えを感じるとともに、今後も「ミラエガプロジェクト」を継続し、協働することの難しさやおもしろさを体験できるよう準備を進めていく予定だと述べていました。

チーム「つぼつぼ」の壷井さん、石川さん、永坂さん、間柴さん(写真左から)

●「課題解決プロジェクト」佳作/チーム「つぼつぼ」の企画提案内容

「メタバースとファッションのコラボレーション!? 気軽に自由にファッションを届ける」
 
現在、ファッション業界は環境負荷が大きい産業として指摘され、解決が急務になっています。そこで、4人はメタバース内のアバター向けファッションから消費者ニーズを探り、実際に生産される洋服の製造につなげることで、本当に欲しい商品だけを生産し、環境負荷の軽減を図ろうと考えました。このアイデアを実現させるために、メタバース内で誰もがデザイナーになれる環境を整え、アバターファッションのデザイナーを誕生させることを企画しました。人気デザイナーには、アパレル企業がオファーし、メタバースファッションを現実世界でも製品化することを目指しました。
 
このアイデアのメリットとして、「メタバース上であらかじめ消費者ニーズに合った服をデザインし、反応を見てから商品化するため、売り上げが期待できる」「注文を受けてから製造するため、ロスを減らせる」「メタバース空間を使って生活に必要な“衣”の重要性を世界に発信することができる」などが挙げられます。また、より洗練されたアバターファッションが登場すれば、メタバース空間を利用するユーザーは、自身のアバターに好みの洋服を着せることができ、それを現実世界でも着用できるため、well-beingの向上にもつながります。同時に、日本電気株式会社(NEC)側にとっても、環境負荷が少ないメタバース空間でのファッションに注力することは、同社がめざす持続可能な社会の実現にも貢献できると4人は提案しました。

●チーム「つぼつぼ」メンバーの声

壺井 直人さん(大阪経済大学経営学部2年)
私たちは、アイデアを創出するにあたり、収集した情報が正確であるか、課題解決につながるかどうかをまずは批判的な視点から考察し、企画書に反映しました。メタバースとファッションを組み合わせることで、環境問題、デザイナーの育成、well-beingなど、様々な課題を解決できると考えました。このアイデアが評価されたことは、非常に嬉しいです。
 
間柴 佑飛さん(大阪経済大学情報社会学部1年)
私たちは、メタバースの中で経済活動とwell-beingを両立させるために、様々な情報やアイデアを出し合い、ディスカッションを重ねました。その中で、ファッションに着目し、より企画内容が濃くなりました。私は、企画書提出までのスケジューリングを担当し、タスク管理能力を身につけることができました。また、チームワークの大切さも学ぶことができました。
 
石川 好花さん(関西外国語大学外国語学部2年)
メタバースにおける新しいサービスの提供と、ファッションを活用した課題解決に魅力を感じていたため、企業の方からの評価は非常に嬉しかったです。企画書の完成まで、毎週電話で会議を開き、各自の進捗状況や次のタスクなどを確認し、全員で目標を共有しました。このようなチームワークが、入賞につながった一因であると思います。
 
永坂 瑠菜さん(関西外国語大学英語キャリア学部1年)
メタバースを知らない人でも身近にあるファッションとリンクさせることで、気軽に楽しめる企画であるという自負があります。入賞はもちろんですが、プレゼンテーションに向けて4人で練習や準備を行い、満足いく発表ができたことも成果の一つだと感じています。