2021/8/25①

2021/8/25①

株式会社伍漁福の山中社長にインタビューしました①(講義編)

今年度から新設された「経営者の理念と事業への想い」という授業に、株式会社伍漁福(ごぎょふく)の山中社長にご登壇いただいたのですが、授業後に特別にブログ部の「いたさん」と私「ふじふじ」でインタビューをさせていただきました。

今回は、私が授業での講義内容を中心に、次の記事では「いたさん」がインタビュー内容をお届けします。

伍漁福さんは、神戸市長田区に本社があり、「ピリ辛さきいか天」や「備長炭カシューナッツ」など「珍味を極め」た食品メーカーです。

日本酒に造詣の深い「いたさん」は以前から伍漁福ファンです。私の一押しは、「クリームチーズ生ハム包み」と「濃厚ほたるいか姿干し」です。

 それでは、講義で心に残った話をお伝えします。

伍魚福さんの最大の特徴は、「お客さまのため」、「従業員のため」、また、工場なきファブレスメーカーとして「協力工場との関係性」を大切にした経営をされていることです。その想いは経営理念にバランスよく盛り込まれていて、社内での経営理念の浸透に努めていらっしゃいます。
山中社長は、「経営理念を浸透させるのは、本当に難しい。経営理念は、社員それぞれが経営理念に沿った行動レベルまで落とし込まれてこそ意味がある。」と力説されていました。

私たちの授業では、企業分析や戦略論を中心に習っていたため、戦略より上位概念の経営理念のお話は、とても新鮮でした。

経営理念を浸透させるための取り組みとして、たとえば、採用前には経営理念等を記載したクレド(注)を希望者に渡しており、クレドの内容を理解し、賛同した人を採用するシステムを採っています。

入社後も、社員全員にクレドを渡しており、同内容を暗記するように指導し、従業員意識調査で理念の浸透度を測っています。
ここまで徹底されるのは、激動する今の時代では、社員が判断に迷ったときに経営理念に立ち戻って、自身の頭で考え、行動できるようになることが必要だからとのことでした。

経営理念の重み、そして、その浸透の難しさを実感しました。

 注)クレド…経営理念や行動指針等、心掛けるべき信条をまとめた冊子。

 
また、「伍魚福エンターテイニングスパイラル」で示された会社の目指す姿は、自社を中心に「お客様・協力企業」、「従業員とその家族」にとって「おもしろい会社」=それぞれにとって「豊かで充実した人生」・「WINWINの関係」がきちんと回る、「すばらしくおいしい」好循環の実践です。伍魚福さんは「食べ物」という「モノ」を通じて、「満足感」や「楽しさ」というような「コト」を得ているという考え方をされています。メーカーでありながら、サービス業的な考え方で事業をされており、ここが一般の食品メーカーとの大きな違いで、見えざる模倣困難性と言えます。

<所感>

感銘を受けたことは、お忙しい立場であるにも関わらず、①経営品質や他の会社の制度を取り入れる等、常に学び向上する姿勢と、➁従業員の人生を深く考え、成長に責任をもつ高い意識をお持ちであることです。

山中社長がおっしゃった、「協力工場でも経営の厳しいところが増えてきています。中小企業のよくなる手伝いをしてほしい」、という言葉を胸に刻み、製造業経営診断実習に臨みたいと、決意を新たにしました。

貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。