2023/6/20

大経大流 登録養成課程 経営診断実習について、お話しします!

大阪経済大学 中小企業診断士 登録養成課程 第5期生の佐藤 敦と申します。 
 
私は17年以上ITインフラ系のシステムエンジニアをしています。
私がシステムエンジニアの現場で感じていることとして、ChatGPTをはじめとする生成AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)などのデジタル化の話題が毎日飛び交っている中、中小規模の企業や個人においては、まだまだ認知度が低く、デジタル化は進んでいないということです。
日本国内では2024年の建設業、運送業に関連する労働時間に関する改正法の施行や2050年までに生産年齢人口が現在の3分の2程度に減少することが見込まれています。
海外に目を向けると、日本の労働生産性はOECD加盟38か国中27位という結果になっています。
今後、大企業だけでなく、中小企業や個人においても生産性を高めることが重要になります。
私は日本の中小企業や個人のデジタル化を一歩前に進めるために中小企業診断士を志望しています。
 
さて、ここからは6月初旬から約1か月間にわたって取り組んだ、第5期初回の経営診断実習を無事!?に終えることができましたので、中小企業診断士 実務補習と登録養成課程の実習の違いを踏まえて、経営診断実習の進め方をお話ししたいと思います。
 
まず、代表的な実務補習についてですが、約2週間、6名1グループになり、企業訪問は2回行います。
初回の訪問はヒアリング、2回目の訪問で経営者向けに診断報告書の報告を行います。
面識のない方とグループを組み、考えやビジネススキルのバラツキがある中、方向性を定めて100ページほどの診断報告書をまとめ上げることは困難が多いと思います。ウワサによると、深夜まで議論したり、明け方まで報告書を作成することがあったり、なかったりするとか…

一方の登録養成課程では2月~6月まで授業を受けてきた24名の仲間が8名3グループになり、約3週間の間、企業訪問は3回行います。
グループのメンバーを見ると、それぞれの経歴や得意なこと、性格がわかります。実習の進め方は講師の先生と班長に任せられています。担当講師は小林 俊文先生です(写真左、筆者は写真右)。

3週間の大まかな工程は下記のとおりです。

1日目(土曜日 終日 学校):
 企業概要説明、班長・副班長・担当分野決定、事前調査、ヒアリング内容検討
2日目(平日 午前 学校):
 初回経営者ヒアリング内容・事前調査事項等のグループ内共有・検討
2日目(平日 午後 企業):
 初回ヒアリング・事業所視察(※企業様の方針によります)
3日目(平日 夜 学校):
 初回ヒアリング結果整理、現状分析
4日目(土曜日 終日 学校):
 経営課題抽出、提言の方向性検討
5日目(日曜日 午前 学校):
 2回目ヒアリング内容・調査事項等のグループ内共有・検討
5日目(日曜日 お昼 小林班独自!):
 第4期先輩診断士の第5期生向け激励会!
6日目(平日 午前 学校):
 2回目ヒアリング内容・調査事項等のグループ内共有・検討
6日目(平日 午後 企業):
 2回目経営者ヒアリング・従業員ヒアリング(※企業様の方針によります)
7日目(平日 夜 学校):
 提言の具体的内容検討
8日目(土曜日 終日 学校):
 全体調整、報告書作成
9日目(日曜日 午前 学校):
 報告書の最終チェック、印刷、報告会リハーサル
10日目(平日 午前 学校):
 報告会リハーサル
10日目(平日 午後 企業):
 報告会
11日目(平日 夜 学校):
 3グループ合同で振り返り

見ていただいた通り、3週間の期間にわたって、一つの企業様に2回ヒアリングにお伺いさせていただきました。2回ヒアリングの機会をいただいたことで、企業様の実情をより詳細に把握することができ、経営者の方とも深い議論を通じて本音でお話しいただくことができました。
私たちのグループは小林先生ご指導のもと、経営戦略、財務・会計にとどまらず、企業様に問題意識がある営業、技術や人事・労務、情報化など多面的な経営診断を行いました。
8名が各パートを担当しますが、それぞれの経験やスキルを持ち寄って、互いのパートの一貫性、相乗効果を検討しました。議論の進行については、全員が積極的に参加し、知恵を絞ることで、誰一人取り残されることはなく、企業様のあるべき姿を描くことができました。

5日目のお昼、第4期の先輩診断士の方々が激励会を開催してくださいました。2回目のヒアリングを前に診断報告書の完成イメージがあいまいな中、第5期生の不安を払拭するためにお越しいただきました。経営診断実習のこと、養成課程のこと、卒業後のことを忌憚なくご相談させていただき、とても勇気づけられました。
来年、第6期の方々とお会いできることを楽しみにしています。

9日目、全員のパートを一つの診断報告書にまとめ上げ100ページを超える大作ができました。表紙を作り、企業様提出用に製本ができあがったときの感動は忘れることはないでしょう。
 
10日目の報告会では、ヒアリングにご協力いただいた経営者、従業員の方に経営診断報告書を聴いていただきました。特に課題認識がある営業や技術、人事・労務などは提言内容に関して積極的にご質問をいただいたり、議論が弾む場面が多く、有意義な報告会となりました。

報告会の後はお待ちかね…
 
3週間の間、ともに過ごした仲間と一つの仕事をやり遂げたあとのお酒は格別です!この瞬間のために一生懸命取り組みました。お酒を交えながら、互いの良かったところ、次に生かしたいところを振り返ります。
 
まだ経営診断実習はあと4回残っています。第5期生の結束力があれば、これからの企業様に対しても、経営に活かすきっかけとなる診断報告書が提供できると確信しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。実務補習と登録養成課程 経営診断実習の違いはご理解いただけましたでしょうか。
要点を絞ると下記の点が登録養成課程の特徴となります。
・気心が知れた仲間とより深い議論を通じて経営診断に取り組める
・ヒアリングの機会が2回あり、経営者、従業員の方と詳細に本音で会話ができる
・先生、先輩たちのバックアップ体制が充実していて、安心できる

最後に…
私たちを受け入れてくださった企業の経営者、従業員の方々、貴重な機会をいただきありがとうございました。未熟で失礼があったかと存じますが、寛大な心で受け入れてくださいまして、改めて感謝申し上げます。この経験を中小企業診断士として活かせる存在になります。
 
第4期生の先輩診断士の方々、激励会を開催いただきありがとうございました。先輩方の伝統を私たちが受け継ぎ、第5期の宴会番長がこの輪を広げていきます!
 
小林先生、授業の時から長らくご指導いただきありがとうございました。形式ばった項目の診断報告書を提出することが目的ではなく、企業様の問題を見つけ、経営課題の設定と提言することの重要性が理解できました。この経験を今後の養成課程生活、卒業後にも活かし、中小企業診断士の「共通言語」になれるように努力したいと思います。
 
第5期生 佐藤 敦