#STAY HOME 私たちができること④

子どもの心身の健康を守るためにできること

人間科学部 坪田 祐季講師

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、誰もがいつ、どこで感染するか分からない不安を抱えながら生活をしています。私たち大人はもちろんのこと、子どもたちは、自分の身の周りで何が起こっているのか具体的に理解できず、より不安を感じているかもしれません。イベントの中止や学校の休校で、ストレスを発散することができず、ご家庭で様々な行動を示すお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、私が日頃から携わっている四日市市学校臨床心理士会(Y S C P)が作成した「緊急事態における対応の手引き」をご紹介します。今まで当たり前だった活動ができず、大人も子どもも、緊急事態の渦中にいます。緊急事態のときに、心や身体はどんなサインを示すのか。その知識を持っておくだけでも、少し気持ちが楽になったり、無理せず気持ちと付き合ったりすることができるかもしれません。新型コロナウイルスから、子どもたちの心身の健康を守るために、そして、もちろん私たち大人にとっても健康を維持するためのヒントになれば幸いです。

こころが苦しくなると、誰でもこんな状態になることがあります

今まで当たり前だった活動ができず、大人も子どもも、緊急事態の渦中にいます。緊急事態のときに、心や身体はどんなサインを示すのか。その知識を持っておくだけでも、少し気持ちが楽になったり、無理せず気持ちと付き合ったりすることができるかもしれません。
病気になってしまうのではないかと心配したり、自由に遊べなかったりすることで、いろんな症状や行動を示すことがあります。
また、子どもは、今起こっている出来事や感じている不安を「遊び」で再現し、その遊びを通じて不安を和らげることがあります。このような状態になることは、とても自然で、健全な反応です。









(右)四日市市学校臨床心理士会「《こころ》がゆさぶられる
   出来事に出会ってしまったときに…」より

日常のこころの健康を取り戻すために

日常のこころの健康を回復させるために必要なのは、安全と安心感です。新型コロナウイルスは感染症であるため、まずは感染予防のための安全な環境を維持していくことが重要です。その上で、もしお子さんが様々な症状を示した際には、安心を感じられるような関わりや見守りを心がけるとよいでしょう。
また、テレビやSNSでは新型コロナウイルス関連の情報が溢れています。情報が多すぎて、大人でも何が正しいのか分からなくなり、混乱することがあります。それは、子どもたちも同じです。子どもを過剰に不安にさせないために、「正しく、適切な情報」を伝えることが大切です。

<参考資料>
コロナウイルスに関するお子さん向け教材
 小学生向け心理教育教材「コロナウイルスってなんだろう」(藤田医科大学 感染症科)

四日市市学校臨床心理士会「《こころ》がゆさぶられる出来事に出会ってしまったときに…」より

大人自身のケアも大切に

今後の見通しが持ちにくい状況で、お子さんと一緒に過ごす時間が増え、保護者の方にかかる負担はとても大きなものです。子どもたちの健康を支えるためには、まずは、大人が意識的に自分自身をケアすることが必要不可欠です。少し距離をおいたり、ひと休みの時間を作ったりすることも有効です。それでも上手くいかず、苦しくなるときがあるかもしれません。ひとりで抱え込まず、苦しいときは相談機関や医療機関に相談しましょう。