中小企業・経営研究所

第7回中小研セミナー

第7回中小研セミナー(2017.6.10開催)【報告】

7回目のセミナーの概要について紹介します。
 

タイトル:地域社会における企業の役割
日 時:2017610(土)
            14001600
場 所:C31教室
講 師:和納 勉(株式会社クイック 代表取締役社長、本学客員教授)
参加者:127名(申込者172名)
 

  7回のセミナーも6回目に続き、「地方創生」時代における企業の役割に焦点を当てながら、企業の取組みについてトップに語っていただきました。

  株式会社クイックは、1980919日に創業された総合人材サービス業と情報サービスを展開する東証一部の上場企業です。資本金が35,131万円(2017331日現在)、従業員数が960名(201741日現在)、売上高が1457,882万円(20173月期連結実績)で、グループ各社合わせて国内12拠点、海外5拠点に事業拠点を展開されています。

経営理念は、「関わった人全てをハッピーに」(従業員・家族・取引先・読者・求職者・株主)、事業理念は「人材・情報ビジネスを通じて社会に貢献する」を掲げられています。現在では安定的に成長され、クイックグループとして「日本の人事部」から「世界の人事部®」(商標登録済)としてのグローバルHRソリューション企業を目指し、ニューヨークとロサンゼルス、メキシコ、中国・上海、ベトナム、ロンドンへと事業展開されています。しかし、ここまでの成長過程ではたくさんの苦労をされています。その中でも経営のあり方を抜本的に大きく見直す契機になったのがバブル崩壊の時期とのことです。32億円の売上が157,000万まで半減し経営危機に直面され、家賃も払えないほど万策尽きて明日にでも倒産という時に、ある銀行だけが融資を認めてくれたそうです。その時に、多角化の必要性と資金の重要性を痛感し上場を意識され始められたとのことです。その時の苦しい経験が、現在も理事長を務めておられる「関西を元気にする会」の設立につながっていきます。多くの創業者が経験するように、上場時期には「甘いもうけ話」を持ち込んでくる人々やフィーだけを目当てに近づいてくる偽コンサルタントなどが沢山群がってくるそうです。また、上場するまでには多くのステップがあり、幹事証券や会計事務所にも相談し難い泥臭い相談事が山積するので、経営者はその対応に大半の時間がとられ苦労するとのことです。そのような悩みをできるだけ解消してあげたいということでスタートしたのがこの会です。20007月に「関西をいかに元気にするか」をテーマに、関西の活性化を目指すベンチャースピリットあふれる企業経営者を中心に設立され(大阪経済大学も発起人として設立当初より参加)、20051月にNPO法人の認可を取得しています。会員企業への支援策としては、

①株式上場を目指す経営者を上場企業経営者が直接支援、②アントレプレナーを発掘し成長を支援、③盤石な組織基盤づくりの為の経営幹部や人材育成支援、の3つを中心的な支援としています。現在も103社(平成295月末現在)の会員向けに、経営セミナーや勉強会、経営者交流会、ビジネスプラン発表会等を通じてアントレプレナーの発掘や成長支援、経営者育成等に取り組んでいます。この会から二十社を超える上場企業が誕生しています。

この「関西を元気にする会」の代表者(理事長)をボランティアで設立時から務めているのが和納社長です。「企業というのは、やっぱり地域に支えられてるわけです。地域に支えられている以上、地域とともに成長する、地域にお返しをする必要があるわけです。」という言葉が印象的でした。

特に中小企業は、地域で税金を納め地域で雇用を生み、地域の様々な取組みに対して支援をしています。そのような企業が成長発展し、たくさん創出されれば、関西経済の未来も明るいものになると感じさせるセミナーでした。

以上
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