日本政治史、具体的には日本国憲法並びに韓国・中国との関係をめぐる論議を調査していますが、日本各地で発行されている新聞並びに英国外交報告を主史料として利用しています。当時の新聞や英国外交官が憲法問題並びに日韓・日中関係をどう認識し、論評したかを探る作業であるといえるでしょう。
院生時代は日本の「植民地」支配に関する英国外交報告を検討し『「植民地」支配の史的研究』(法律文化社)として刊行しました。ここしばらく新聞論説の検討に重点を置いています。最近、①敗戦直後の一時期地方紙論説に関わった経済学者住谷悦治の憲法・デモクラシー観、②内閣憲法調査会における経済分野の論議を小論としてまとめ、②は日本経済史研究所開所90年記念論文集(『歴史からみた経済と社会』思文閣出版)に載せることが出来ました。とかく「9条」に関心が集中しがちな憲法論議ですが、経済関連の条文をめぐる議論の検討は今後も進めていきます。加えて「8月ジャーナリズム」の再検討、特に「先の大戦」をめぐる各紙特集・議論にも調べを進めていく予定です。
憲法論議、日韓・日中関係とも「現在進行形」の課題であることを留意しつつ、これからも研究を進めていく所存です。
(2026年5月)