梶居 佳広(カジイ ヨシヒロ)
梶居 佳広(カジイ ヨシヒロ)
〔専門分野〕日本近現代史、政治学
〔研究課題〕新聞論説並びに英国外交報告からみた日中・日韓関係、戦後憲法問題
〔最終学歴〕立命館大学大学院法学研究科博士課程
〔取得学位〕博士(法学 立命館大学)
〔研究業績〕
『「植民地」支配の史的研究―戦間期日本に関する英国外交報告からの検証』法律文化社、2006年
<論文>
「住谷悦治と「戦後民主主義」―『京都新聞』『夕刊京都』における言論活動を手がかりに―」(出原政雄・望月詩史編『「戦後民主主義」の歴史的研究』法律文化社、2021年3月、所収)
「日本国憲法をめぐる主要紙論調―憲法記念日社説を中心に(1965~1997年)」(『年報 日本現代史』第24号、2019年12月)
「岸内閣期の憲法論議:全国・主要地方紙社説をてがかりに(1957~1960年)」(『メディア史研究』第44号、2018年11月)
「日韓国交正常化(1965年)と主要紙社説」(『立命館経済学』第66巻第3号、2017年9月)
「日本国憲法をめぐる新聞論説―施行70年の憲法記念日を中心に」(『社会システム研究』第35号、2017年9月)
「池田内閣期の日韓関係をめぐる主要紙社説(1960~1964年)」(『立命館経済学』第65巻第3号、2016年12月)
「1960年代前半の日中関係と主要紙社説(1960~1965年)」(『立命館経済学』第64巻6号、2016年3月)
「国際問題としての領事館警察 小論―ワシントン会議からリットン報告書まで―」(『人文学報』第106号、2015年4月)
「朝鮮戦争・日韓関係(1950~1953年)に関する日本の新聞社説」(『社会システム研究』第30号、2015年3月)
「東京裁判における日本の東南アジア占領問題:検察側立証を中心に」(『立命館法学』第345・346号、2013年3月)
「1950年代改憲論と新聞論説(1952~1957年):地方紙を中心に(2)」(『立命館法学』第344号、2012年12月)
「1950年代改憲論と新聞論説(1952~1957年):地方紙を中心に(1)」(『立命館法学』第343号、2012年10月)
「イギリスからみた「50年代改憲論」―駐日大使報告・新聞論説を中心に」(『立命館大学人文科学研究所紀要』第97号、2012年3月)
「50年代改憲論と新聞論説(1952~1957年):中間報告」(『立命館大学人文科学研究所紀要』第96号、2011年3月)
「日本国憲法制定と新聞ジャーナリズム(1):改正論議の開始から憲法草案要綱発表直前まで」(『立命館人文科学研究所紀要』第93号、2009年3月)
「新憲法制定と新聞論説:近畿地方を中心に」(『立命館大学人文科学研究所紀要』第90号、2008年3月)
「日本国憲法制定と地方新聞論説:中間報告」(『立命館大学人文科学研究所紀要』第88号、2007年3月)
「イギリスからみた日本の満州支配―戦間期外交報告を中心に(2)」(『立命館法学』第291号、2004年2月)
「イギリスからみた日本の満州支配―戦間期外交報告を中心に(1)」(『立命館法学』第290号、2003年12月)
「英米から見た日本の台湾支配―戦間期領事報告を中心に」(『立命館大学人文科学研究所紀要』第80号、2002年9月)
「英米からみた日本の朝鮮支配―戦間期領事報告を中心に(2)」(『立命館法学』第267号、2000年2月)
「英米からみた日本の朝鮮支配―戦間期領事報告を中心に(1)」(『立命館法学』第265号、1999年10月)
<資料>
「岸信介内閣期(1957~1960年)の主要地方紙社説・論説一覧 : 日中・日韓関係、日米安
保改定と憲法問題をめぐって(2)」(『立命館経済学』第66巻6号、2018年3月)
「岸信介内閣期(1957~1960年)の主要地方紙社説・論説一覧 : 日中・日韓関係、日米安
保改定と憲法問題をめぐって(1)」(『立命館経済学』第66巻5号、2018年1月)
「中国問題・日中関係をめぐる主要地方紙社説一覧(1960~1965年)」(『立命館経済学』
第64巻3号、2016年2月)
「朝鮮半島問題・日韓関係をめぐる主要地方紙社説一覧(1960~1965年)」(『立命館経済
学』第64巻2号、2015年7月)
最近の動向
日本政治史ないし現代史、具体的には1920年代以降の東アジア(韓国・朝鮮、中国)との関係並びに日本国憲法をめぐる論議・認識を調査研究しています。その際、日本各地で発行された新聞並びに英国外交官の報告を基本史料として利用しています。要するに、当時の新聞や英国外交官が日中・日韓関係並びに憲法問題をどう認識し、論評していたかを探る作業であるともいえるでしょう。なお日本の新聞は、所謂全国紙(朝日新聞、読売新聞など)の他、これまで軽視されていた地方紙(例えば京都新聞、神戸新聞)も対象にしています。
院生時代は戦間期日本の朝鮮・台湾・「満洲」支配に関する英国外交報告を検討し、博士論文は『「植民地」支配の史的研究』(法律文化社)として刊行しました。英国外交報告を使った研究は戦後(1950年代)憲法論議ヘの態度も論文発表しましたが、近年は新聞論説の検討に重点を置いています。特に敗戦から施行50年までの憲法論議並びに国交正常化までの韓国・中国との関係をめぐる各紙論調の変遷については毎年論文発表し、特に改憲問題は将来論文集として刊行することを目標にしています。また一昨年は著名な経済学者ながら一時期地方紙論説に関わった住谷悦治(元同志社総長)の憲法観を小論としてまとめました(『「戦後民主主義」の歴史的研究』法律文化社、収録)が、「9条と自衛隊、安全保障」に関心が集中しがちな日本国憲法の中でも経済関連の条文をめぐる議論の検討も始めています。加えて、「日中国交正常化50年(2022年)」、「昭和100年(2025年)」を念頭に、「昭和の政治・外交」をめぐる各紙特集・議論にも調べを進める予定です。
日中・日韓関係、憲法論議はいずれも「現在進行形」の課題であることを常に意識し、これからも研究を進めていく所存です。
(2023年5月)