山本 正(経済学部教授)

山本正所員


〔専門分野〕 西洋史学

〔研究課題〕 近世ならびに近現代アイルランドとイギリス/ヨーロッパ

〔最終学歴〕 大阪大学大学院文学研究科博士課程後期課程

〔取得学位〕 博士(文学)

〔研究業績〕 本学のデータベースはこちら 

<単著>
『図説 アイルランドの歴史』(河出書房新社、2017年)

『「王国」と「植民地」─近世イギリス帝国のなかのアイルランド』
(日本経済史研究所研究叢書第12冊、思文閣出版、220頁、2002年)

<共編著>
『コモンウェルスとは何か―ポスト帝国時代のソフトパワー―』
(ミネルヴァ書房、315, 6頁、2014年)

『ジェントルマンであること─その変容とイギリス近代』

(刀水書房、256頁、2000年)

<論文 その他>
「アイルランド自由国の国際社会へのデビュー―新興弱小国が払った努力と味わった悲哀―」
(『大阪経大論集』第65巻第2号、187-200頁、2014年)

「近世アイルランドにおけるプロテスタント・エリートの『オールド・イングリッシュ』に対するまなざし

─エドマンド・スペンサーとジョン・テンプルを通じてみたその変化―」
(『大阪経大論集』第61巻第2号、113-132頁、2010年)

「複合君主制帝国─近世西欧帝国としてのイギリス大西洋帝国」
(山本有造編『帝国の研究─原理・類型・関係─』、名古屋大学出版会、227-256頁、2003年)

「ヨーロッパ近世再考─国家の観点から─」
(徳永光俊・本多三郎編『経済史再考』、思文閣出版、85-100頁、2003年)

「あるアイルランド貴族の成り上がり人生─近世イングランド人の旧き『新世界』
(川北稔・指昭博編『周縁からのまなざし─もうひとつのイギリス近代』、山川出版社、136-160頁、2000年)

「コロニアル・ナショナリズムと『帝国意識』─ウィリアム・モリニュクスのアイルランド議会独立論にみる」
(木畑洋一編『大英帝国と帝国意識─支配の深層を探る』、ミネルヴァ書房、53-74頁、1998年)

16世紀アイルランド植民地とイギリス近代─『海洋帝国』と『島国国家』のはざま」
(『西洋史学』183号、35-46頁、1996年)

「『野蛮』の『改革』─エドマンド・スペンサーにみるアイルランド植民地化の論理」
(『史林』762号、72-103頁、1993年)

「初期テューダー朝とアイルランド─『キルデアの乱』の原因をめぐって」
(『西洋史学』159号、1-18頁、1991年)


〔最近の動向〕
(1)ヨーロッパ近世国家の特徴である「複合君主政」と「信教国家」という観点から、一方でブリテン諸島における内戦(三王国戦争)、他方で宗教改革後のヨーロッパ世界規模での宗教対立という二つのコンテクストのなかで1640年代のアイルランドの内戦(カトリックの反乱)にアプローチしてきた研究成果が刀水書房から出版の論文集、岩井淳・道重一郎編『複合国家イギリスの地域と紐帯』の第6章「三王国戦争期のアイルランド―プロテスタント複合国家アイルランドとヨーロッパ・カトリック世界のはざま」として公表されました。今後も引き続き、1640年代「三王国戦争」期のアイルランドにおける宗教絡みの複雑な政治勢力対立に、ブリテン・プロテスタント世界とヨーロッパ・カトリック世界の対峙・衝突という観点からアプローチしていくつもりです。
(2)20世紀前半アイルランド自由国のイギリス(連合王国/イギリス帝国・コモンウェルス)との関係について山本正/細川道久編著『コモンウェルスとは何か―ポスト帝国時代のソフトパワー―』(ミネルヴァ書房、2014年)においてブリティッシュ・コモンウェルス(英連邦)という「家族」の中の「鬼子」としてアイルランド自由国を論じましたが、本年度公刊予定の日本経済史研究所創立90周年記念論集にも、同様の観点からアイルランド自由国憲法に焦点を当てた論考を投稿しました。今後も引き続きそうした観点でアイルランド自由国とイギリス(連合王国/イギリス帝国・コモンウェルス)との関係にアプローチしていきたいと考えています。

2023年5月)