中国が2013年から実施している「一帯一路」は、東南アジア各国との経済交流を加速させた。受け入れ側の東南アジアから見ると、経済成長に必須である資金や技術を受けられる一方、債務返済や環境問題、現地社会とのコンフリクト等ネガティブな側面も見られている。さらに細かく見ると、受け入れ側の経済発展水準によって、中国との融資、技術提供の条件も異なっている。例えば、鉄道建設を例にとると、ラオスは中国主導で融資や技術の提供を受けた。その一方、同じく鉄道を建設しているタイは中国との合弁で事業を進めているものの、融資利率が高かったこともありタイは自前資金で建設を進めている。
本年度は、タイやラオスといったインドシナ半島の国々で実施されているインフラ建設案件を中心に事例研究を進める予定である。