〔今後の研究計画〕
典型的な個人の一生涯における各段階の所得、消費、貯蓄といった経済行動の背景に共通のパターンがあるとするライフサイクル仮説に基づくならば、一国全体の所得、消費、貯蓄は人口動態に左右される。本研究課題では、この仮説をグローバルに拡張することで人口動態が国際貿易に及ぼす影響を実証的に検証する。
ライフサイクル仮説は、一国全体の所得、消費、貯蓄の決定を説明する主要な経済理論の1つであることは、既に膨大な実証研究結果で明らかにされているものの、国際貿易の決定に重要な役割を果たすのかについての研究蓄積が少ない。
研究の進め方として、まず、人口動態が国際貿易に影響を及ぼすことを検証した先行研究のサーベイを行う。それから、先行研究の検証結果が頑健であるかを再検証するため、様々な分析対象期間、分析対象国、分析手法に基づいて実証分析を行う。信頼できる検証結果が得られたならば、所属する学会や研究会で報告や学術雑誌への投稿を考えている。
(2023年5月)