企業価値算定のあり方を会計と法律の両面から考える
企業はモノを作ったり、サービスを提供していますが、経営陣はこれらの企業活動以外に、会社法の制度などを利用した企業経営についても考えなければなりません。例えば、資金調達のための株式や社債の発行、効率的な企業のあり方をめぐっての企業再編(合併、会社分割など)などですが、これらのルールを用意しているのが、「会社法」です。しかし、こうした企業再編、募集株式発行やMBO(経営陣による企業買収)などの場面においては「企業の価値」が問われるため、利害関係者にはその意思決定をするための判断材料として、企業価値に関わる公正な情報が開示されなければなりません。
会社制度の様々な場面における、会計的アプローチによる企業価値と株価の価値関連性の実証研究を検証しつつ、この裏付けを基に法的な研究に結びつけて研究を進めています。また会社法改正の動きが見られるので、その検討も行っています。
近年、多くの企業が不祥事によって社会的な批判にさらされ、つぶれていくさまを目の当たりにすることが増えています。今や、企業に関わるビジネスパーソン一人ひとりが、自律的規範意識をもって行動しなければなりません。経営者も利益の最大化をめざすだけでなく、法的な知識やビジネス法能力を身につけてこそ、企業の健全な未来を築くことができるのです。