軽い動作は、体を活性化・沈静化する
スポーツを始める前にウォーミングアップを行ったり、終えた後にクールダウンをすることで、けがを防いだり、疲れが残りにくいといわれます。では、ウォーミングアップやクールダウンは私たちの身体にどのような効果を及ぼしているのでしょうか。私は研究を通じて、運動終了後にエアバッグ式の足マッサージ機をつかった場合と、ただ安静にしているのでは、マッサージをした方が疲れのたまり方を示す乳酸値が少なく、血圧も穏やかに下がるということを見出しました。また、足を動かす軽いウォーミングアップは計算など脳を使う作業でも効果があることも確認しました。このような軽い運動により足の末梢神経を刺激することで、脳を活性化したり、興奮を抑える副交感神経に影響を与えているという推測ができます。
歩くということに着目した研究も進めており、現在、三次元動作解析装置を使って妊娠中の女性の重心移動などを調べています。まだ基礎データを集めている段階ですが、今後、妊娠している女性や高齢者の歩く仕組みを探究し、足首や膝に負担をかけない歩き方の指導や、歩きやすい靴や床素材の開発などにも貢献したいと思っています。