誰でもどこでも簡単にできるよう工夫
私の専門分野は臨床心理学で、「タッピングタッチ」と「ホリスティックケア」の実践と研究を行っています。タッピングタッチは、臨床心理学や東洋医学などの知見を生かし開発したホリスティック(全体的な)ケアです。両手を使い、左右交互に、ゆっくり優しく、ていねいにタッチすることを基本としています。コツがわかれば、誰でもどこでも簡単にできるよう工夫してあり、心理・福祉・医療などの専門分野に加え、東日本大震災などの被災者支援などにも活用されてきました。
私たちは、環境や人間関係など多様な要素に影響を受けて暮らしています。そのため、タッピングタッチの開発と実践においては、心、体、関係性など、全体的なケアになるように配慮してきました。知識や技術を習得した専門家も必要ですが、家族・友人・地域の人たちが、お互いをケアすることで、安心感や落ち着きを取り戻すことができます。タッピングタッチでお互いをケアすると、体が楽になる、緊張感やストレスが軽減する、相手に対する優しさや思いやりが深まるなどの効果が見られます。副作用などの問題が起きないことも検証してきました。