【2023年度】英語での企業研究プレゼンを実施

海外ゼミ合宿をきっかけに、英語でのプレゼンにチャレンジ

経営学部の三島重顕ゼミでは、3年次に経営学の理論を用いた企業研究を行い、春・秋学期に1回ずつプレゼンの場を設定しています。今回、秋学期の発表会では初めての試みとして、ゼミの半数以上の学生が英語でのプレゼンを行いました。このチャレンジの背景には、夏のゼミ合宿で訪れたフィリピンで、学生たちが英語力の必要性を痛感したという経験があったと言います。英語でのプレゼンに初めて取り組んだ学生たちの奮闘ぶりを紹介します。

企業研究には膨大な時間をかけて分析を深める

三島ゼミの夏合宿では、これまでに韓国、タイ、イギリスなどを訪れてきました。「若いうちに日本とは異なる文化や生活に触れて刺激を受け、視野を広げてほしい」という三島教授の思いから、海外でのゼミ合宿を行ってきたと言います。今回はフィリピン・セブ島に滞在し、できるだけ学生が現地の人と英語で話す機会を設けました。初めて海外を訪れるという学生も多く、英語でのコミュニケーションには苦労していたそうです。英語力の必要性を実感した学生たちに対し、三島教授は英語でのプレゼンにチャレンジすることを提案。日本語と英語のどちらでプレゼンを行うかは学生の判断に委ねられましたが、ゼミ生13名のうち8名が英語プレゼンを行うと決心しました。
 
三島ゼミの企業研究は、詳細に調査・分析する中で、企業を見る目を養うことを狙いとしたもの。事業内容や沿革など企業の概要を調べ、経営学の理論を使って分析を行い、今後の事業戦略の提案といった内容を盛り込んでプレゼン資料を作成します。会社四季報、統合報告書、ビジネスデータベースサービスなど、膨大な資料を読み込んで研究を進めていくため、多くの時間を費やして取り組む必要があるといいます。その上に英語のプレゼン資料を作成するというチャレンジも加わり、ゼミ生の鈴木安南さん(3年)は、「日本語でのプレゼンよりも何倍も準備に時間がかかりました」と振り返ります。
 
「翻訳ツールを使えば簡単に日本語から英語にできますが、企業の考えをちゃんと伝えたいと考えたので、単語一つ一つの選択にもこだわって資料を作成しました。その分、時間はかかりましたが、納得のいくものが完成したと思います」と、鈴木さんは話します。また、「台本をずっと読んでいては、聞き手の反応が分からない」というアドバイスを三島教授から受けたことから、できるだけ台本を覚えてプレゼンに臨むため、発表練習にも力を入れて取り組んだそうです。

英語でプレゼンを行う鈴木安南さん

チャンレンジすることで自信につながったプレゼン発表

2024年1月、約5カ月の準備期間を経て、ゼミ生たちは一人約30分のプレゼンを実施。英語でのプレゼンを行った学生たちは、決して流暢に英語を話せたわけではないものの、堂々と発表していました。発表を終えた鈴木さんは、「台本をなるべく見ずに相手の反応をうかがう、ほどよいアニメーションの活用、発音・動作を意識して単調にならないようにするなど、英語でのプレゼンだからこそ、より聞き手のことを考えて発表できたと思います」と、自身のプレゼンを評価。三島教授やゼミ生からも高く評価されました。
 
鈴木さんは今回の取り組みを振り返り、同じようにチャレンジするゼミ生の存在が刺激になったと言います。「三島ゼミでは、与えられた機会を逃さずにやってみようという意識を持った学生が多いので、お互いに刺激し合えます。私自身、先生が与えてくださった機会に自分から飛び込み、最後まで前向きにやり切れたことで達成感が得られ、自信もつきました。今回の取り組みで成長が実感できたので、卒論も英語で書くことを考えています。さらなるチャレンジで成長する自分の姿を想像するとワクワクします」
 
また、今後につながる意識の変化もあったと、鈴木さんは話します。「海外に対してポジティブな気持ちを持つようになりました。今後は、明確な目標を立ててTOEIC受験に取り組むことや、就活においても海外で活躍できるチャンスがある企業を目指したいと考えています」
 
三島教授は、「今回はいつも以上に負荷をかけた取り組みでしたが、多くのゼミ生がチャレンジしてくれたことをうれしく思っています。プレゼンでは、各学生の頑張りが感じられました。この取り組み姿勢は、今後の就活、社会でも企業に評価されるでしょう。また、これをきっかけに、海外への興味を持ってくれることを期待しています」と、語りました。