技術イノベーションと企業経営

「技術イノベーションと企業経営」 トヨタ自動車 広報部担当部長 土井 正己 氏

グローバル経済におけるイノベーション

経済学特殊講義Ⅱ 「通商政策講座」の第4回が、5月2日(木)午後12時50分から、C-31教室で行われた。

この講座は、閣僚経験者や、中央省庁・関連団体、日本の代表的企業、アメリカ大使館などから講師を招き、日本の通商政策の最前線について講義していただく特別授業。

今回の講師はトヨタ自動車(株)広報部担当部長の土井正己氏で、テーマは「技術イノベーションと企業経営」。土井氏は「日本の優れた産業の集積が車であり、世界一の技術を持っている」と前置きし、会場の学生を質問などで巻き込みながら講義を進めた。

土井氏はまず、新興国の成長の理由や、それに伴って先進国に生ずる課題などに触れ、グローバル経済におけるイノベーションの重要性を強調。そしてトヨタ自動車が現在どのような考えでイノベーションを推進しているかや、イノベーションを生み出す企業文化の醸成、環境・エネルギー問題などと経済発展を両立させるイノベーション技術の開発や普及など、トヨタ自動車独自の企業マネジメントについて、具体的取り組みや統計データなどを事例に、わかりやすく説明。「地球社会の課題を解決するというインセンティブがあれば、世界の共感を得られ、新しいビジネスモデルを強力に推進していける。それがイノベーションにとって最も大事なことだ」と締めくくった。

また講義後は、学生から「トヨタ自動車が目指す次世代車」や「グローバル化における産業の空洞化」などについて質問があり、土井氏は一つひとつの質問に丁寧に答えていた。