受益者を守りたい
 私は信託法について研究しており、現在の研究テーマは「信認関係における受任者の義務」です。信託法の「信託」とは、文字通り「信じて託す」ということ。たとえば私が何らかの理由で、自身の財産管理ができなくなった(社会的・身体的弱者になった)時、信頼できる人(受託者)に財産を移転し、その人は私(委託者兼受益者)が設定した信託目的に沿って、お金・土地・建物などの管理・運用、処分などを行うという制度です。
 しかし財産管理においては、財産を預けた委託者・受益者と実際に管理を行う受託者には、専門的な知識や交渉力に大きな差があります。また財産の名義も受託者に移るため、不正行為や信託に違反する行為が行われる可能性もあり、私はそのような不正や違反を防ぐため、受託者にどのような義務を負わせれば良いのかを追究しています。