蕭文嫻 (シウマンハン)

蕭文嫻 (シウマンハン)

〔専門分野〕中国金融史、国際金融史

〔研究課題〕近代中国と国際経済との関係、近代中国の貨幣システムの変容

〔最終学歴〕京都大学大学院経済学研究科博士課程

〔取得学位〕博士(経済学)

〔研究業績〕
〈共著〉
Manhan Siu, ‘A Case Study on British International Banks: The London Office of the Hongkong and Shanghai Banking Corporation, 1875-1889’ in Takeshi Nishimura, Ayumu Sugawara (Eds.), the Development of International Banking in Asia, Springer, 2020
 
「香港」(国際銀行史研究会編『金融の世界現代史』、一色出版、2018年、311-37頁)
 
Man-han Siu, ‘British Banks and the Chinese Indigenous Economy: The Business of the Shanghai Branch of the Chartered Bank of India, Australia and China(1913-37)’ in Hubert Bonin, Nuno Valério and Kazuhiko Yago ed., Asian Imperial Banking History,London:Pickering and Chatto Publishers, 2014, pp.93-119.

「香港上海銀行ロンドン店 1875-1889―David McLean Papers の検討を通じて」
(
西村閑也、鈴木俊夫、赤川元章編『国際銀行とアジア 1870-1913』、慶応義塾大学出版会、2014年、61947)


「香港上海銀行ハンブルク支店 1890-1913年」
(西村閑也、鈴木俊夫、赤川元章編『国際銀行とアジア 1870-1913』、慶応義塾大学出版会、2014年、649-84頁)


「中国」(国際銀行史研究会編『金融の世界史』、悠書館、2012年、298-332頁)

〈論文〉
20世紀初頭の中国通貨システムの変容銀元鋳造および銀元流通の検討を中心に
(『社会経済史学』814号、20162月)

1930年代における中国と国際金融センター――チャータード銀行の外国為替業務を中心に」

(『大阪経大論集』第663号、20159月)

「外国銀行と中国の現地経済(1913-37年)チャータード銀行上海支店の業務を中心に」
(『大阪経大論集』第643号、20139月)

横浜正金銀行上海支店(1900-1913)―香港上海銀行、チャータード銀行との比較を通じて」
(『経済史研究』第14号、2011年)

「中国幣制改革と香港上海銀行」(『経済史研究』第12号、2009年)

「清末上海金融市場の形成における伝統金融機関の役割」(『経済史研究』第9号、2005年)

「清末上海における事業投資とその資金調達―ゴム株式恐慌(1910)に至る過程を中心に」
(『社会経済史研究』635号、1998年)

「香港上海銀行と中国政治借款の展開(1)―1875年の清国政府第一次国債発行を中心に」
(『経済論叢(京都大学経済学会)』1613号、1998年)

「香港上海銀行と中国政治借款の展開(2)―1875年の清国政府第一次国債発行を中心に」
(『経済論叢(京都大学経済学会)』1621号、1998年)


最近の動向

近代中国の外国銀行経営
 近代中国における外国銀行の経営についての研究を行っている。本研究の対象となる外国銀行の中国進出は、19世紀半ばにまでさかのぼることができる。これらの銀行の多くは多くの国で活動する株式銀行であり、当初は主として貿易金融や中国政府に対する政治借款を主要業務としていた。
 しかし、20世紀1920年代以降、中国国内における銀行業および貨幣供給システムの急速な発展に伴い、外国銀行を取り巻く経営環境は大きく変化することとなった。従来の外国銀行に関する研究では、各銀行の展開過程、戦略、経営パフォーマンスなどに主眼が置かれてきたものの、進出先たる中国経済、とりわけ貨幣制度や中国資本の銀行との関係性については、十分に論じられてこなかった。
 そこで本研究では、外国銀行が中国の貨幣システムの発展および中国系株式銀行との関係性において、いかなる対応や変容を遂げたのかを解明することを目的とする。
(2025年5月)