株式取引における人の関与や信頼関係に着目
私の専門は金融論です。今は、金融の世界における「信用」というものが何によって出来ているのかを考えるため、現在、「人の行動に関する研究」に取り組んでいます。
株式というものの値段には確たる基準はなく、企業と投資家(買う人・売る人)の関係で決まってきます。株式投資はリスクが大きいと言われますが、おおよそ妥当なラインの値段となるのは、企業と投資家の間で、このあたりなら良いのではないかと思えるような何か暗黙のやり取りがあるのではないか。現在の株式市場は完全にコンピュータ化され、瞬時に取引される超高速自動取引などが存在感を増していますが、そこにどのような人間の関与や信頼関係があるのかを研究のテーマとしています。ただ、それらを、どのような視点や実験で実証し明らかにしていけば良いのか、まだ答えは見つかっていません。
この研究の面白さは「人はわからない」という部分です。私は長く、経済学と心理学を合体させたような研究をしたいと考え続けてきました。念願がかない、今、行動ファイナンスというキーワードで研究に取り組んでいることが楽しくて仕方ありません。