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「世界のありがとうを筆でかこう!-ピクニック書道×大阪経済大学-」 留学生らが、あべのハルカスで地域住民とともにボランティア活動に参加

2023年07月03日(月)

2023年6月11日(日)、あべのハルカス近鉄本店ウイング館8階近鉄アート館で「世界のありがとうを筆でかこう!-ピクニック書道×大阪経済大学-」が行われ、中国・韓国の留学生を含む学生6名が参加しました。

この企画は、6月9日(金)から3日間行われた「縁活10周年特別企画」の一環として開催されました。縁活とは、あべのハルカスが2013年に始めた国内の百貨店初の取り組みで、市民団体・ボランティア・地域住民が様々なワークショップを行うことで百貨店を“街のような場”にすることを目指しています。
本学とコラボした「ピクニック書道」は、日本語学校で留学生に書道を教えている髙橋千枝子先生が行っている活動です。書く場所や媒体に縛られず自由に書道を楽しめる場所づくり掲げ、縁活にも長年参加しています。
 
大阪経済大学と縁活を結びつけたのは、大阪経済大学の卒業生であり、高校生の頃から縁活に関わってきたという安阪雄大さん。「学生と新しい取り組みがしたい」という思いがあった安阪さんは、縁活の会議で持ち上がった企画を本学に提案し、これがきっかけで4月22日の書道体験会が開かれました。体験会では留学生を含む14名の学生が髙橋先生の書道指導を受け、このうち6名が今回の企画に参加しました。

イベント当日の11日(日)、会場には13団体のブースが立ち並び、織物体験や革の切れ端を使ったキーホルダー作りなどのワークショップを楽しむ家族連れや中高年の方々で賑わっていました。
 
「世界のありがとうを筆でかこう!」のブースを訪れた来場者は、37カ国のありがとうの言葉から1つを選び、筆の使い方を練習してから色紙に清書してそれを持ち帰ることができます。「自国の言葉を日本人に教えることで、相手が喜んでくれるという交流を体験してもらいたい」という髙橋先生の狙いから、受付や書道の指導は主に留学生らが担当し、それを高橋先生がサポートする形で行われました。
 
留学生らは、4月の書道体験で学んだ技術的な指導だけではなく、自国の歴史や漢字の成り立ちなどを交えた丁寧な説明で対応していました。来場者との会話が盛り上がるあまり、書き上がるまでに30分以上かかることもしばしば。来場者は書くという体験以上に、留学生との会話そのものに満足を感じている様子でした。以前からピクニック書道に参加しているという来場者の1人は、ネパール語でありがとうを意味する「धन्यवाद」という文字を書き、「ネパール出身の友人がいるので書いてみたかった」と嬉しそうに語りました。

髙橋先生は「百貨店という商業施設の中で、留学生が地元の人々と一緒に活動することは、彼らにとって貴重な社会体験になる」と今回の活動の意義について語ります。また、「留学生や若い学生は限られた人間関係にこもりがちです。特に留学生は日本語をみっちり勉強しなければならず、今回のように自由に振る舞える取り組みは息抜きになったのではないでしょうか」と留学生らの様子を振り返りました。
 
今回の企画に参加したチョウ シビョウさん(情報社会学部 3年)は、「私の説明を聞いた来場者から『こんな意味があるんだ!』と言ってもらえて嬉しかった」。ハム ユビンさん(交換留学生)は「私が韓国語を教えた時に、相手にめんどくさいと思われたらどうしようと心配していたけれど、実際はみんな一生懸命に参加してくれてよかった」と来場者との交流について語りました。
 
また、チン シユウさん(経営学部 4年)は「色々な方と話せる場所として私たちにもすごくメリットがあるし、別の国の文化を味わえるという点で来場者にもメリットがある取り組みだと思う」。森山 咲希さん(経済学部 1年)は、「普段の大学生活だと歳の近い人としか話さないけれど、幅広い年代の人たちと会ってお話しできたのが楽しかった」と取り組みの価値を再認識する声も上がりました。
 
ソ ゲンさん(経営学部 3年)は、「書道体験から中国と日本の書道の違いを感じた。実際に来場者と会話して、日本語能力が向上するだけでなく日本の文化や礼儀についても理解を深めることができた。これからもこのような活動に参加して地域の文化発展に貢献したい」と意気込みを語りました。
 
大阪経済大学・縁活・ピクニック書道・地域住民の方と、多くの繋がりからもたらされた体験は、留学生たちの心に新しい学びを残しました。