2023/9/26

経営診断実習2回目(製造業)が終了しました!

大阪経済大学 中小企業診断士 登録養成課程 第5期生の穴山と申します。 
私は、現在大学病院の人事部門で採用・退職、労務管理などに携わっています。以前の金融機関での勤務経験から、これまでの自身の社会人経験をこの養成課程の受講を通してより発展させて、広く社会や企業に貢献したいという動機で中小企業診断士を目指しています。
今回は、2回目となる製造業実習について私から報告させていただきます。

実習開始

前回6月に佐藤さんが1回目の実習となる流通業の実習報告をされていますが、今回は初の製造業の実習となります。 

今回実習を担当される講師は、中小企業診断士の高山吉和先生です。

メンバーのほとんどが非製造業の勤務先ということで、なかなか事前の企業イメージが掴めない状況での実習開始となりました。

まずは、決められた班での役割決め。

今回製造業ということで、我々のB班では以下の役割と人数に振り分けがありました。(班や企業先の状況によって役割と振り分けは変わります)

 

■戦略担当 : 2名 (リーダー・副リーダー)

■財務担当 : 2名

■人事担当 : 1名

■生産担当 : 1名

■営業担当 : 1名

■情報担当 : 1名    合計8名

 

私は今回、戦略担当としてリーダーの役割をいただきました。

5回の実習で、誰もが1回はリーダーを経験されることになると思います。

私も早いか遅いかの違いかなと受け止めました。

第1回企業訪問(ヒアリング)に向けて

役割が決まると、第1回目となる企業訪問(ヒアリング)の準備を始めます。

今回は、高山先生から現役金融機関勤務の2人に実習先企業の財務資料の概要を説明するよう指示がありました。2人の的確な説明を受け、皆で概況の把握ができました。

その後、ヒアリングの内容を各担当で検討していきます。

今回話し合いの結果、『回答の「理由」を確認することで深掘りすること』を、班の目標に設定させていただきました。あとはそれぞれの担当でヒアリング項目の抽出です。皆さん2回目の実習となるため“勝手知ったる”流れで検討を進めていきました。

いざ、本社工場へ!

今回の企業先は、奈良県を本社工場とする製造業の企業様です。

事前に企業様と講師の先生が設定した時間を基に、訪問スケジュール自体も班の皆で検討して決定します。

自分も1回目の実習の際、集団で行動することの難しさを感じていましたので、今回対策として『実習訪問のしおり』を作成することにしました。『しおり』で、全体のスケジュールや役割、集合場所等を示しておくようにしました。

今回『しおり』で本社工場に到着予定の40分前にはタクシーで乗り継ぐ予定にしていたものが、実際は乗り継ぐ予定のタクシーが駅に1台もいない、といったハプニングもありました。(汗)

幸い待つこと20分ほどで掴まり、無事予定の13時に到着することができました。後で運転手に聞いたことですが、昼時の12時前後は休憩のためタクシー数も薄くなるそうです。次回から企業様への訪問時間を30分遅らすことにしました。

社長及び専務からのヒアリングと本社工場見学

本社工場に到着し、社長・専務に出迎えていただいて一同挨拶を行います。
今回、先方の企業様が事前に準備していただいた会社概要の説明を伺うことになりました。会社の設立の経緯から、現在の業界や取引先の状況、自社の製造過程など、事前に準備していた質問内容の一部も伺うことができました。
概要説明の後、2組に分かれて本社工場の見学を行いました。ここでも、社長から設備の説明を受けながら、実際の作業工程や稼働状況を拝見させていただきました。実際の現場で分からないことがあれば質問し、丁寧に回答していただけます。
 
その後、担当ごとに社長と専務にヒアリングを行います。
会社概要で伺ったこと、工場見学で確認したこと、などを踏まえて事前に考えた質問項目に沿ってヒアリングを行います。当初深掘りをするという目標は立てていましたが、1人あたり10分前後のヒアリングでは追加で深掘りする質問できる時間はなかったというのが実情です。ただ、質問を都度アレンジしながら一定の対応はできたのではないかという印象でした。

ヒアリングが終わり、社長と専務に感謝の言葉をお伝えしたところで、先方様がタクシーを手配していただきましたが、「掴まらない」というハプニングが再び発生・・・。
現地で急遽話し合い、徒歩20分程のバス停まで歩いて帰ることに。
 
30℃を超える暑い夕暮れに、10名の黒スーツの集団が、田んぼの中を歩いてバス停を目指す光景は、なかなかでした・・・でも振り返ればいい思い出です (笑)

診断報告会に向けて(診断報告書作成&報告会リハーサル)

企業様から提供いただいた資料、会社説明、工場見学、ヒアリング等を踏まえて、改めて提案の方向性を皆で話し合っていきます。今回は、高山先生から、5年後のP/L、B/Sを作成して報告することを課題としていただき、5年間の経営計画を提案することとしました。1班8名いるメンバーとの話し合いは、意見の相違などもあり、調整が難航することもあったりしますが、一つのものを作り上げるためには避けて通れない作業です。十分に腹落ちするまで議論することに努めました。結果、提案する経営計画書のメッセージや方針などメンバーの認識を一致したうえで、それぞれの担当の分析・提案の流れとなりました。診断報告書はかなりの分量となることが多く、今回も100頁を超えることとなりました。誤字脱字チェックのエキスパートもここで発掘されました(笑)

また今回、診断報告書の作成と診断報告会用スライドの作成を高山先生から指示をいただきました。診断報告会に向けてはリハーサルを行います。
 
先生およびメンバーからの厳しいチェックを受け、スライドの手直しやコメント修正もありますが、リハーサルで気づくことはけっこう本質的なことだったりするので非常に重要な印象です。できるだけ余裕を持って、リハーサルを前倒しにしたいところです。
また、声のトーンや相手の反応を見ながら説明するなど細かい指導をいただき、本番への心構えが出来上がっていきます。

診断報告会

再び本社工場を訪問して診断報告会を行います。
リハーサルでの指導いただいた内容を踏まえて、我々の診断結果を報告するときです。
社長と専務には我々の90分に及ぶ提案について熱心に耳を傾けていただきました。
説明後には、社長と専務のお二人からは「会社の中で優先順位を決めながら、提案内容について実行を検討していきたい」というコメントをいただきました。
我々の作ったものが、今後少しでも会社経営上の参考になることを願っています。

診断報告会を終えて

4週間に及ぶ今回の製造業実習でしたが、実際の製造現場に触れることができ、講義上だけの情報であったものが、実際の肌感覚として考えられるようになったことは成果です。
高山先生から診断報告書作成の作法から、診断報告の際の注意点など、実務上の幅広い見識を指導いただいたことは、我々にとっても診断士を目指すうえで一つのターニングポイントになりました。
今回限りの組み合わせとなる8人のメンバーと、切磋琢磨して作り上げた経験と過程は、今後の実習や診断士となった後にも繋がる財産となります。
 
最後に、今回の実習でお世話になった企業様、高山先生、サポーターやメンバーのほか関係のスタッフの方々には改めて感謝申し上げます。              
第5期生  穴山 直