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【実施報告】「南紀白浜ふるさと納税見本市」を開催

2023年03月30日(木)

学生主体で、白浜町の物産品をPRするイベントを開催

本学大隅キャンパス近くの商業施設「かみしんプラザ」で3月5日(日)、ふるさと納税返礼品の展示・紹介を行う「南紀白浜ふるさと納税見本市」を開催しました。本イベントは、PBL型のプロジェクト「夏のPBL in 白浜」に昨年夏から取り組んできた学生5名が企画・実施したもの。白浜町のふるさと納税返礼品の中からピックアップした物産品の展示・試食・販売を行い、白浜町物産品の魅力を買い物客の皆さんに発信しました。

企画からイベントの実行まで学生が自発的に活動

本学は和歌山県白浜町と連携し、学生たちが地域の魅力や課題を発見して地域振興策を考えるフィールドワークに取り組んできました。昨年8月には、PBL型のプロジェクト「夏のPBL in 白浜」の参加希望者を募集。選考の結果、選ばれたのは3年生4名、2年生1名の計5名です。このプロジェクトはすべて学生の自主的な活動によって行われるもので、活動内容の選択なども学生自身に任されています。
 
学生たちは、白浜町役場を訪れて職員の方と話し合うなかで企画を考え、白浜町のふるさと納税をPRするイベントを大阪で開催することを決めました。ふるさと納税に着目したのは、観光地として知られる白浜町ではコロナ流行下で地場産業が大きな影響を受けたという背景からです。ふるさと納税返礼品の魅力を県外で発信することで、地場産業の振興に役立ちたいと考えたといいます。
 
プロジェクトのメンバーで話し合い、200種類以上あるふるさと納税返礼品の中から4社の商品をピックアップ。良い物なのにあまり知られていない商品をPRするという考えのもと、学生目線で魅力があると感じた商品を選びました。その商品は、白浜温泉水を使った化粧水、地ビール、沿岸で捕れた魚のすり身が原材料の特産品「南蠻(なんば)焼」「牛蒡巻」、地元産イグサで作った雪駄です。
 
各製造元にも足を運んで話を聞き、工場や作業場を見学、商品についての理解を深めました。プロジェクトのリーダー役を務めた中橋直紀さん(経営学部3年生)は、「実際に製造元を訪れることで、作り手の努力やこだわりが肌で感じられます。例えば雪駄は、一つ一つ丁寧に手作りされている様子を自分たちの目で見ることができました。原料のイグサの栽培から手がけ、数は少なくても本当に欲しいと思う人に向けて作られており、商品に対する強い思いが伝わってきました。私たち自身、商品の良さがよく分かったからこそ、多くの人にその良さを発信したいという気持ちが強くなりました」と話します。
 
学生たちはイベントに向け、白浜町役場や製造元と連絡を重ねて準備を進めていきました。白浜町の情報を発信するSNSを開設し、商品の魅力を分かりやすく伝えるためのスライドもパワーポイントで作成しました。メンバー全員がイベント開催に関わる経験が今までになかったため、どのように準備したらよいのか分からない中で模索しながら、開催までの準備を進めていったといいます。

「かみしんプラザ」で買い物客に物産品の魅力をPR

イベント当日は日曜日ということもあって「かみしんプラザ」にはたくさんの買い物客が訪れました。「南紀白浜ふるさと納税見本市」は入口からほど近いエリアにブースを設置。ピックアップした4社の商品に加え、メジャーな特産品である和歌山ラーメンや南高梅などを並べ、数種類の試食を用意してふるさと納税返礼品をPRしました。店頭にはディスプレイモニターに商品PRのスライドを映し、白浜町役場職員の方と一緒に、プロジェクトメンバーのうち学生3名が立ちました。

ブースに立ち寄ってもらえるように声をかけますが、買い物途中の人に立ち止まってもらうのはなかなか難しいようです。それでもあきらめずに声をかけ続けていると、興味を示してくれる人も。お勧めした試食に「おいしいね」と感想が出れば、対応した学生の笑顔がこぼれます。商品の良さなどをしっかりと伝え、その場で商品を購入してくれる方もいました。
 
中橋さんは「今回のイベントで、少しでも白浜町のことを知ってもらえたら嬉しいという思いで、できるだけ多くの人に話を聞いてもらおうと頑張りました。ただ、やってみて分かった反省点もあります。分かりやすく人の目を引くブースづくりができていれば、もっと多くの人に伝えられたのではないかと、もどかしさを感じました。商品のPRのみに終わってしまいがちで、ふるさと納税を促進するという目的を達成するための工夫も不足していたと思います。マーケティングなどの知識の必要性を感じました」と今後の反省点を述べました。
 
反省点はあったものの、プロジェクトの取り組みを通じて新たな学びや経験が得られたと言います。「役場や事業者の方とのやり取りでは、メール一つ送るのにも緊張感をもって間違いのない対応を心がけました。外部の人との関わりによって社会人としてのふるまいを勉強できました。また、チームをまとめるという経験ができたのも良かったです。たとえ少人数であってもチームで取り組むことの難しさを感じながら試行錯誤して活動し、イベントを開催するという一つの成果をあげられたことで達成感が得られました」
 
プロジェクトのメンバーは、今回のイベントで築いた白浜町との関係性をもとに、次の展開も検討していく計画です。「オリジナル商品の開発や商品ラベルのデザインなど、私たち学生がより主体的に関われる企画を考えていきたいです」と、中橋さんはプロジェクトへの意欲を語りました。

白浜町役場から、学生の取り組みへの期待の言葉
 
本学と白浜町との連携の取り組みを担当し、今回のプロジェクトでもサポート役を担った、白浜町役場・総務課企画政策係の滝本斉主任からは、「商品の紹介スライドを事前に作り、お客様と話す様子を見ていても丁寧に商品の説明をしていて、しっかりと準備してイベントに臨んでくれたことが分かりました」と、取り組みを評価していただきました。
 
さらに、「近隣に大学がない白浜町では、大学生と一緒に取り組みができるのは貴重な機会。こうした取り組みを機にもっと関わりを深め、白浜町が第2のふるさとのようになってくれればと願っています。学生の皆さんにとっても、行政や事業者との関わりを通じて授業では得られない学びがあるでしょう。この先のプロジェクトも楽しみにしています」と、今後への期待の言葉も寄せられました。
 
学生が自発的に考えて行動し、大学外の方々と連携してやり遂げた「南紀白浜ふるさと納税見本市」。たくさんの学びをプロジェクトメンバーにもたらしたイベントとなりました。