企画からイベントの実行まで学生が自発的に活動
本学は和歌山県白浜町と連携し、学生たちが地域の魅力や課題を発見して地域振興策を考えるフィールドワークに取り組んできました。昨年8月には、PBL型のプロジェクト「夏のPBL in 白浜」の参加希望者を募集。選考の結果、選ばれたのは3年生4名、2年生1名の計5名です。このプロジェクトはすべて学生の自主的な活動によって行われるもので、活動内容の選択なども学生自身に任されています。
学生たちは、白浜町役場を訪れて職員の方と話し合うなかで企画を考え、白浜町のふるさと納税をPRするイベントを大阪で開催することを決めました。ふるさと納税に着目したのは、観光地として知られる白浜町ではコロナ流行下で地場産業が大きな影響を受けたという背景からです。ふるさと納税返礼品の魅力を県外で発信することで、地場産業の振興に役立ちたいと考えたといいます。
プロジェクトのメンバーで話し合い、200種類以上あるふるさと納税返礼品の中から4社の商品をピックアップ。良い物なのにあまり知られていない商品をPRするという考えのもと、学生目線で魅力があると感じた商品を選びました。その商品は、白浜温泉水を使った化粧水、地ビール、沿岸で捕れた魚のすり身が原材料の特産品「南蠻(なんば)焼」「牛蒡巻」、地元産イグサで作った雪駄です。
各製造元にも足を運んで話を聞き、工場や作業場を見学、商品についての理解を深めました。プロジェクトのリーダー役を務めた中橋直紀さん(経営学部3年生)は、「実際に製造元を訪れることで、作り手の努力やこだわりが肌で感じられます。例えば雪駄は、一つ一つ丁寧に手作りされている様子を自分たちの目で見ることができました。原料のイグサの栽培から手がけ、数は少なくても本当に欲しいと思う人に向けて作られており、商品に対する強い思いが伝わってきました。私たち自身、商品の良さがよく分かったからこそ、多くの人にその良さを発信したいという気持ちが強くなりました」と話します。
学生たちはイベントに向け、白浜町役場や製造元と連絡を重ねて準備を進めていきました。白浜町の情報を発信するSNSを開設し、商品の魅力を分かりやすく伝えるためのスライドもパワーポイントで作成しました。メンバー全員がイベント開催に関わる経験が今までになかったため、どのように準備したらよいのか分からない中で模索しながら、開催までの準備を進めていったといいます。